液晶パネル

編集：2021.09.10。↑トップページ

症状

液晶パネルの“ライン落ち”と言うか…つまり、横線や縦線が欠けてしまった（表示されなくなった）など。

修理可能か？

修理が可能なのは、液晶素子の電極とフレキシブルケーブルとの接触不良で起きたもの。

構造的には、この電極は導電性接着剤で接着固定しているらしい。半田接続されているならいいが、接着剤だと、修理は不可能に近いでしょうね。

フレキシブルケーブルは耐熱性があるものに限る…だいたい茶色いものは熱に強いようだ。その他のケーブルは熱に弱く、修復が不可能である。

今回の例

この例は任天堂のゲームボーイの初期バージョン。液晶とプラスチック ケースとの間に黒ゴム板を挟んで液晶電極を押さえている構造をしているが、運悪く、その効果が無くなったか、逆に、振動などで接触不良を起こしてしまったようである。

用具

使用した用具は半田コテ「CX-30」（Goot）20ワット。必要に応じて電力を落とした方が良い。

修理手順

• 液晶を丸出しにして電源を入れる。
• 液晶の表示が全面的に表示されるようにコントラストなど調整する。
• 液晶電極部のフレキシブルケーブルを見えるようにする（ゴムや、接着テープなどを剥がす）。
• 液晶電極の接触不良個所を探る…平らなもので電極を押さえてみる。
  　これを行って接触が改善されない場合は、液晶表示ドライバーLSIとフレキシブルケーブルとの間で接触不良が起こっている可能性が高く、修復は不可能である。
• 加熱テストを行う。フレキシブルケーブルの端などを半田コテで加熱して融けないか調べる。
• 接触不良と思われる電極の箇所を半田コテの平らな部分を使って、フレキシブルケーブルの上から加熱…横の電極にずらしていく。ずらす速さは遅く（1mm/秒くらい）。このゆっくりさが重要のようだ。

  液晶パネルを見ながら行う。

• これでOK、元に戻す…ゴム板などを付ける。剥がしてくっつかない場合は両面テープで貼り付ける。